​竹田麟太郎

　筑波大学 宇宙物理理論研究室の大須賀グループに所属しています. 大須賀グループはブラックホール周りの物理を研究しているグループです. 

　

​　卒業研究では「相対性理論的光子散乱の研究」をやりました.

　ブラックホール周辺などブラックホール周辺などで起こる光学的に厚い降着円盤やアウトフローでは, 特殊相対性理論の効果が表れるほどの速さで運動する流体中で, 光子が多重散乱によって拡散していると考えられています. 

　しかし特殊相対性理論の効果を考慮した光子の拡散はまだよくわかっておらず, 現在存在する輻射流体計算コードでは非相対論的な拡散近似をそのまま採用したり, 本来光速で進むはずの光の速さを下げたりなどして計算されています. 

　そこで, 特殊相対性理論の効果を考慮したモンテカルロ法に基づく輻射輸送数値計算コードを作成, それを駆使し, 運動する流体中で多重散乱しながら拡散する光子の確率密度分布を求め, 光子の多重散乱への特殊相対性理論の効果を検証しています.